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レポート

冬季セミナー
2010年12月25-26日
セミナー記念撮影

 12月25-26日、神戸総本部道場に於きまして「冬期セミナー」が行われました。 塚口道場からは重吉先生・奥村拓海・前田綾香・重吉海臣・小川さくら・重吉成海・登山直人・登山彩・重吉輝海の9人が参加しました。
 世界大会二連覇の中村誠師範直接指導のもと基本稽古・移動稽古・型・実戦的な組手のコンビネーションを徹底的に稽古しました。 中村誠師範の指導はきめ細かく、わかりやすく、厳しさとユーモアを絶妙に使い分け、長時間の稽古も集中力が切れる事がありません。 参加者は精神的にも肉体的にも確実にレベルアップしたことでしょう。 稽古後は大浴場でリラックスして、焼き肉バーベキュー。食事の後子供達はゲーム大会で楽しみました。

前田綾香 十人組手

 最終日は中村誠師範の号令のもと審査会。塚口道場から奥村拓海、前田綾香が昇段審査に挑みました。 現在、奥村拓海は高校3年生、前田綾香は高校2年生、2人共小学2年生で塚口道場に入門し、一般部の厳しい稽古や受験を乗り越え、 塾・学校のクラブ活動・空手としっかり両立して今日を迎えました。 柔軟・ジャンプ力・体力・基本・移動・型・逆立ち・棒跳び・地上転回 と順調に進み、最後の関門 「10人組手」。 前田綾香は1~3人目までは得意の上段蹴りで一本・技ありを取り幸先良いスタート。 しかし4人目以降は急激にペースダウン。体が細いので腹を効かされ苦痛に顔を歪めます。 完遂は無理じゃないかと思いましたが、不屈の闘志と気合いで粘り強く技を返します。 どんなに苦しくても「押忍!」の挨拶や気合いは最後までしっかりやり抜きました。 最後の10人目は審査を見守る人達全員からの大応援を背に受け完遂。 中村師範から黒帯を締めていただいている時の顔は涙でグシャグシャになっていましたが清々しい本当に良い顔でした。

奥村拓海 十人組手

 奥村拓海は1人目からペース配分一切無しラッシュラッシュで攻めまくります。 10人を完遂するには相手の技をしっかり受けてダメージを最小限に留める組手をするものですが、 最初から試合のラスト10秒並みの攻撃ペース。しかし、住谷先生からのペース配分のアドバイスは一切無し。 若いんだからペース配分して無難に完遂するのでは無く、体力の限界から苦しみながら掴み取る方が拓海の為になると判断しました。 案の定3人目辺りで途端にペースダウン。ここからが地獄の10人組手の本当のスタート。 腹を効かされ、脚を効かされ、息も上がり、意識が朦朧として来ます。 4人目からは黒帯の先生方が最後まで続きます。防戦一方で何度も場外に叩き出されます。 8人目の全日本クラスの外屋敷師範代の容赦ない攻撃には誰もが完遂は無理だと思うものでした。 10人目、見守る人達の大声援を背に最後の力を振り絞り果敢に攻め完遂。 ボロボロになり精魂尽き果てた10人組手でした。 審査終了後に2人が口を揃えて「今まで生きて来た中で一番苦しい思いをしました」との言葉に昇段審査の厳しさが物語っています。

 一年前に昇段審査の準備を始め、道場で10人組手の予行演習を行い、審査2ヶ月前から一般稽古終了後毎回ハーティーから常設に場所を移し、夜遅くまで型や逆立ちの特訓を行いました。 厳しい事、突き放す様な事も何度も言いましたが、腐る事なく最後まで頑張りました。 昇段審査を目指す過程で明らかに2人の意識と稽古態度と所作が変わって行くのを感じました。 審査前、最後の常設道場での特訓終了後の雑談で2人に「今まで空手を辞めたいと思った事はあったか?」と聞きました。 2人共「小学生の時は組手が痛くて嫌で嫌で辞めたくて仕方ない時が何度もありました」 「遊びたい時もあったし、空手・クラブ・勉強との両立がしんどくて辞めたい時もありました」と。 しかし、私にはそんな苦しみや悩む姿を一切見せず、途中で投げ出す事なく一生懸命努力を積み重ねて来ました。 2人の「どんなに苦しくても諦めない心の強さ」は空手以外のこれからの人生の大きな自信となるでしょう。

 昇段はしましたが黒帯になってやっと空手道の門の前に立ったに過ぎません。 初段の「初」は初心に帰るという意味です。2人共納得出来なかった部分もあるだろうから、その部分はこれからの稽古でしっかり克服してください。

 長年に渡り厳しい指導や稽古を理解し、サポートをしてくださいましたお父さん、お母さんありがとうございました。 御両親のサポートが無ければ2人は絶対に続ける事は出来ませんでした。 2人の指導をしてくださいました塚口道場の先生方ありがとうございました。 私1人で2人をここまで導いて来る事は出来ませんでした。 塚口道場の道場生の皆さんありがとうございました。 共に稽古する仲間の存在があるからこそ2人は頑張る事が出来ました。 審査をしていただきました、中村師範、小池師範代、10人組手の相手をしてくださいました師範代、先生方、道場生の皆さんありがとうございました。 皆さんの励ましと応援で完遂する事が出来ました。

 最後に、拓海、綾香 小さい頃から成長する姿を見て来たけど本当に良く頑張った。 2人を応援してくれた人達に感謝し、期待を裏切らない様に今後も努力精進を重ねてください、押忍。