レポート
2011年3月13日(日)、川西総合体育館に於きまして、近隣道場合同で交流練習試合を行いました。 塚口道場の入賞者は以下の通りです。
一般 | 優 勝 | 重吉 俊夫 |
小学4年生 | 優 勝 | 小川 さくら |
小学2年生 | 優 勝 | 重吉 輝海 |
出場した選手の皆さん、引率・応援してくださいました御父兄のみなさん、試合進行スタッフの皆さん、大変お疲れ様でした。
中村道場主催のカップ戦では審判をしている関係上、塚口道場の出場選手の試合を全て見る事は出来ませんが、
今回は進行係りとして全ての試合を見る事が出来ましたので、出場選手18人の普段の稽古の様子を含めて、戦いぶりをレポートします。
●小川天汰:昨年の4月に入門して、もうすぐ1年になります。試合は昨年の交流練習試合と今回で2回目。昨年の交流試合では一回戦負け、今回は一回戦突破!二回戦では惜しくも判定負けしましたが、物怖じせず相手に向かって行く根性は良いです。顔面カバーをしっかりしましょう。
●野澤快斗:今年の播州カップ中級の部で試合初出場準優勝。普段の稽古も一生懸命頑張っているので今回かなり期待していたのですが、試合出場直前に原因不明の大泣き・・・。お母さんに促されて試合場に立つ事は立つが、何もせず一方的に上段蹴りを二発入れられて合わせ一本負け・・・。何故 泣いているのか原因を聞いても言わず・・・。しばらくしたら、ケロッとしていましたが・・・。訳がわかりません(笑)。試合直前に対戦相手を見て怖くなったみたいです・・・う~ん厳しく指導します!
●高山勇輝:昨年の9月に入門して、今回は試合デビュー戦。一年生にしては体が大きいのですが、おっとりした性格なので組手スタイルもおっとり(笑)。もっと積極的に技を出す様にすれば良かったですが、空手歴も浅いので今後に期待します。
●戸井輝:非常にガッツがあり、道場での組手では多彩な技を繰り出し、とても強いのですが、試合では実力の半分も出せていません。稽古態度も良く、非常に一生懸命稽古する子なので、いつか必ず結果は出ると思います。『努力は人を裏切らない』
●島瀬稜平:週四回も稽古に通い、非常に頑張っています。基本・移動・型がピシッと決まるので技のキレは素晴らしいものがあります。メンタル面が少し弱く、自分より少し強い相手だと組手中、涙目になってしまいます。最近はだいぶ改善されて来ましたが、今回の試合でも涙目になっていました。物怖じしない精神力を付ける事が課題ですね。
●安藤勇琉:最近急激にやる気を出し、稽古中の集中力が増し、組手の内容も非常に良くなりました。稽古の組手試合でも、自ら強い子を指名する積極性や向上心は精神的に強くなった事を感じさせます。今回は相手の中段攻撃に腹を効かされて負けてしまいましたが、最後まで諦めずに立ち向かった事は素晴らしい。この意識のままで稽古を続ければ2~3年後にはかなり強くなっていると思います。
●直江拓海:性格は素直で、稽古も一生懸命やります。気合いや返事も一番大きな声で頑張っています。入門当初は精神的な弱さを感じましたが、最近は見違える様に逞しくなりました。練習試合出場が決まってから、モチベーションが上がり更に元気良く稽古に取り組んでいました。左の蹴りと左の突きが強烈ですが、攻撃の際に顔面カバーが下がるのが課題です。
試合は上段廻し蹴りを決められてしまいました。上段さえもらわなければ、攻撃力はかなり高いので簡単に負ける事はありません。今回は得意の左の蹴りがほとんど出ず、突きのみになってしまったのも残念でした。指導の際に顔面カバーと左の蹴りをもっと出す様に指導します。
●重吉輝海:普段の稽古ではおっとりしているのですが、試合になるとスイッチが入ってファイターに変身します。なかなか組手センスも良く、突き蹴りのコンビネーションで攻撃します。今回は優勝しましたが試合内容も非常に良かったと思います。
●上杉光輝:性格は真面目でとても素直で稽古も一生懸命頑張ります。組手センスも非常に良いものがあります。今回対戦した相手は二周り近く体格差がありましたが、果敢に攻めて最後まで諦めず戦い抜いたのは凄く良かったです。普段の組手であれだけの攻撃を見せた事はないので、持っている全ての力を出し切ったと思います。このままコツコツ稽古を継続すれば必ず結果を出すと思います。
●松原貞徳:普段の稽古態度は非常に良いです。性格は少しおっとりしています。昔、ソフトクラスで準優勝した事がある程で、組手もステップを使ったセンスの良いものを持っています。今回の試合は久しぶりの出場でしたが、惜しくも判定負け。内容的にはそんなに差はありませんでした。
試合後に悔しさで落ち込んで泣いていましたが、出場選手の半分はみんな一回戦で負ける訳でそんなに気にする事ではありません。良く頑張ったと思うし、内容も悪くありませんでした。子供の試合は結果よりも、ベストを尽くす事が大事です。胸当てを外して試合に挑んだ事もメンタル面での成長です。大きな成果を望むのでは無く、小さな成長を喜びましょう!
●登山彩:週に四回も稽古に来て非常に頑張っています。稽古態度も真面目でとても素直な性格をしています。組手センスは良く、左右の廻し蹴りは素晴らしいものがあります。一回戦は上段・中段・下段廻し蹴りと多彩に繰り出し相手を圧倒しました。二回戦はいつも一緒に稽古している塚口道場の小川さくら。普段の稽古では圧倒されていますが、試合では物怖じせず互角に近い良い勝負をしました。もっと突きが出せる様になれば更に強くなれます。
●三國稜介:久しぶりの試合出場でした。普段の稽古では集中力に波があります。気分の乗った時は凄まじい気合いと気迫で頑張りますが、気分の乗らない時は・・・(笑)気分に左右されない精神的な強さが課題ですね。今年の初めに『今年は試合頑張ります!』と自らアピールして来ましたので期待していました。
試合はチャンピオンクラスに出場している子と対戦しました。トーナメントを作成した時に『大丈夫かな?一方的にやられて自信無くしたりしないかな?』と不安でしたが、いざ蓋を開けてみると予想以上の大健闘でした。腹を効かされて苦しそうでしたが、強い相手に最後まで気合いを出して立ち向かって行ったのは凄く良かったです。この試合で見せた気迫や気合いを忘れず、今後も精進して欲しいですね。
●重吉成海:小柄ですが前に前に出て、突きと蹴りを繰り出す姿はまさに『ビッグハート』。非常に負けず嫌いで、道場稽古中の試合で負けたら家に帰ってお母さんに当たり散らすそうです(笑)。今回の試合では一回戦、突きと蹴りのコンビネーションを休まず繰り出し判定勝ち、二回戦は男子のチャンピオンクラスに出場している子にも、臆せずに真っ正面からガチンコの打ち合いを挑みます。前半戦は互角でしたが、後半やや押された感じで判定負け。しかし、試合内容も気持ちの強さも素晴らしいものでした。
●小川さくら:週四回稽古に来て、大きな気合いで一生懸命に頑張ります。稽古に取り組む姿を見ていて『この子は本当に空手が好きなんだな~』と感じます。蹴り技を得意にしていて、右足の連続蹴りは脅威です。最近は突きも非常に強くなっています。一回戦は同じ道場の登山彩。普段の稽古では圧倒していますが、前半は動きが堅く、登山彩の頑張りもあってなかなか蹴りが上手く決まりません。後半は堅さもとれ、切れ味鋭い踵落としも出して判定勝ち。
二回戦の決勝戦は男子のチャンピオンクラスに出場している子との対戦。試合前に突きで攻めろとゼスチャーでアドバイスしたのが悪かったのか、突きは良く出るのですが上段蹴りがあまり出ません。延長戦に入っても上段蹴りが出ず、相手の下突きがボディに決まり少し下がりだします。『やばいな・・・』と思ったところで、やっと見事な上段蹴りが炸裂し優勝しました。
今回、得意の上段蹴りはあまり出ませんでしたが、以前は右の上段蹴りのみに頼った組手でしたが、今回は突きが連打で出ていましたし、苦手な左の蹴りも沢山出していたので技のバリエーションは進歩していました。
次は大阪カップに出場しますが、更に強い相手と対戦しますから研究して頑張ってください。
●登山直人:週に四回も稽古に来て頑張っています。以前はメンタル面の弱さに課題がありましたが、ここ最近は見違える様に逞しくなってきました。稽古に取り組む姿勢も良くなって来ましたし、組手の内容も良いです。今回、体格の二周り程大きい相手との対戦になりましたが、『びびって、昔のメンタルの弱さが出てしまうんじゃないかな?』と心配していましたが、逃げる事無く相手に立ち向かって最後まで良く頑張りました。
持ってる力は十二分に発揮しましたし、何より気持ちの強さが見れたのが良かったです。肉体的、精神的に確実に成長していて頼もしく感じました。
●塩谷義輝:塚口道場でここ最近、一番成長を感じるのが塩谷君です。不器用で空手のセンスがある方では無いですが、この子の良いところは、粘り強くコツコツと稽古を継続するところです。組手では悔しい思いも一杯したと思うんですが、それでも諦めず稽古を続けて来た成果が徐々に出て来てます。最近の道場内での組手の内容も良く、相手に向かって行く気迫は凄まじいものがあります。一回戦でチャンピオンクラスに出場している茶帯の子と対戦しましたが、臆する事無く凄まじい気迫で立ち向かっていって素晴らしかったです。
負けはしましたが、現段階で相手の実力が上だったので仕方ありません。結果報告に来た塩谷君の悔し涙は必ず実を結ぶと思います。期待しています。
●樋口昌彦:今年の樋口君の気合いの入り方には驚くばかりです。今年の初めに『先生、今年は今まで逃げていた試合に全部出場します!』と宣言し、播州カップ・関西地区選手強化稽古・フレンドリーカップ・大阪カップと全てにエントリーしています。道場稽古にも休まず参加し、稽古後の居残り組手も必ず参加して頑張っています。聞けば、奥さんに『二年間は空手に没頭させてくれ!』と許しをもらったそうです。昨年に子供が産まれ、子供に胸を張れる『強い父親』になりたいそうです。
試合は一回戦で中山台道場の黒帯、英さんです。英さんは中村道場主催のカップ戦の壮年の部では負け知らず、かなりの強敵です。試合は樋口君が積極的に得意の下段廻し蹴りで攻め込みます。何発も良い下段が入って有利に試合を進めますが、英さんも突き蹴りで反撃し盛り返します。試合後半タイミングの良い英さんの前蹴りが突き刺さり、一瞬効いた顔をします。試合終了、判定で英さんの勝利でした。良い下段が入っていたのですが、もう一押しが足りません。
どんなに苦しくても自らの力で勝利を引き寄せる気持ちの強さが大事です。また良い攻撃を貰っても絶対に表情に出してはいけません。格闘技は相手に少しでも弱みを見せたらつけ込まれます。強い意志を持って挑めば絶対に顔に出る事はありません。逆に良い攻撃を貰ったら『効いてませんよ』と、ニヤリと笑うぐらいの(極真空手は武道空手ですから相手に失礼があってはいけませんが)精神的強さが欲しいですね。どんな気持ちで、稽古に臨むのか。どんな気持ちで試合に臨むのか。全てはそこにあります。
●重吉俊夫:少年部の指導、一般部の指導、自らの稽古、中村道場主催のカップ戦には必ず出場し、壮年の年齢にも関わらず一般の選手権大会に出場し、空手のみならず仕事(消防士)、家庭生活(お子さん三人も道場生)もしっかりされていてる姿は尊敬に値し、本当に頭が下がります。重吉先生がいなければ、今の塚口道場は無いと断言できます。今大会は、自らが出場選手の立場にも関わらず、塚口道場の子供達を声を枯らして応援し、試合に負けて泣いている子共達を慰めるなど獅子奮迅の活躍でした。
一回戦、上新庄道場の茶帯のホープ田村選手を膝蹴りと突きの連打で判定勝ち、二回戦の決勝戦では、中山台道場の英さんと対戦。英さんとは、重吉先生がまだ青帯の時に、塚口道場で開催した練習交流試合で対戦した事があり、その時は上段廻し蹴りで技ありを取られ負けてしまいました。前々からまた対戦したいと思っていたそうですが、遂にその日がやって来ました。試合開始から得意の下段廻し蹴りを繰り出します。特に前脚内股への下段廻し蹴りが効果的です。
英さんも負けじと反撃しますが、後半から突きと膝蹴りも交えて更に攻め込み、少し押し気味なところで時間終了。判定で重吉先生の優勝となりました。大会終了後、少し重吉先生と話しましたが、自分自身で課題もしっかり理解されていましたし、とことんまで自分に厳しい人なので私から言う事は何もありません。これからも、塚口道場の斬り込み隊長として道場を盛り上げてください。宜しくお願いします。