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レポート

秋季審査会
2015年11月08日

 11月8日(日)、尼崎道場にて『秋季審査会』が行われました。午前9時より少年部初級(白帯、オレンジ帯)の審査を開始。 柔軟、拳立て、ジャンプ力(二段蹴り)、基本、移動、型、組手の順で行われました。 初級者ばかりなので緊張する表情が多く見られましたが、緊張をはねのけて一生懸命、気合いの入った姿を見せてくれました。 続いて12時より少年部青帯以上と一般部の審査が行われました。午前中と同じく、柔軟、拳立て、ジャンプ力(二段蹴り、緑帯以上は飛び後ろ回し蹴り)、基本、移動、型、組手と行いました。 審査会は人の目を借りて自分が正しいやり方で稽古できているかを確認し、自分自身を矯正する場です。また、自分は何が得意で何が苦手なのかを確認する機会でもあります。 苦手なことをそのままにしておくのではなく、少しずつでもいいので克服できるように明日からの稽古に役立てて欲しいと思います。

 さて、審査会のメインイベントである昇段組手に、塚口道場の中野創策、小川さくら、尼崎道場所属ですが毎週水曜日と土曜日に出稽古に来ている藤原章寛の3人が黒帯への昇段審査と連続10組手に挑戦しました。 また、内弟子の有馬美優士が初段から二段への連続20人組手に挑戦しました。全員この日の為に徹底して道場稽古で基本、移動、型、10人組手や20人組手をやり込んで、この日を迎えました。

小川さくら 十人組手

 トップバッターは小川さくら。幼稚園年長で入門して空手歴9年半。中学では柔道部に所属して黒帯の実力です。 今年の大阪カップ中学女子無差別級で優勝しています。1~4人目までは得意の上段蹴りで一本、技ありを連続で取り順調に進めます。 5人目からは男の黒帯の師範代・指導員が登場。得意の上段蹴りも簡単には決まりませんが、攻める姿勢を忘れずアグレッシブに闘います。 9人目、中村昌永師範代、10人目、亀井元気選手と最後の力を振り絞り無事完遂。

藤原章寛 十人組手

 2人目は藤原章寛。幼稚園年中で入門して空手歴12年半。中学では陸上部、高校では柔道部に所属して黒帯の実力です。 空手の試合では高校1年生から一般上級にエントリーして、今年の播州カップでは軽量級で4位に入賞しています。 1人目、黒帯の相手に左上段廻し蹴りで技あり判定勝ち。2人目、前半 緑帯の相手の激しい攻撃に手を焼きますが、落ち着いてボディに突きを集め、ガードの下がったところに左上段廻し蹴りを決めて技あり判定勝ち。 3人目、活きの良い青帯の相手にボディに突きを決めて技あり判定勝ち。4人目、中村修志師範代。右の突きの連打に動きが止まりますが、耐えながら突きと下段を返します。 5人目、同学年の茶帯の相手。お互いに意識しあって激しく打ち合い引き分け。6人目、巨漢のアメリカ人相手に前半パワーで押されますが、後半 左の下段で攻めて優勢勝ち。 7人目、中井秀幸選手、巨漢の相手が続きます。中井選手のパワフルな突きと下段で防戦一方になりますが、時折 気迫の突きを返します。 8人目、川阪師範代、9人目、中村昌永師範代、10人目、亀井元気選手とラスト苦しい相手が続き、人間サンドバッグとなりますが、見守る人達の大声援を背に受け最後まで耐え抜き完逐。

中野創策 十人組手

 3人目は中野創策。塚口道場オープン時に幼稚園年長で入門して空手歴15年半。 中学・高校と兵庫県の強豪校の柔道部に所属し、その間 空手の稽古は2~3ヶ月に1回のペースながら辞めずに続け、大学入学を機に本格的に空手に取り組み、メキメキと力を付け、昨年は全日本大会に出場し、今年の全関西大会では茶帯ながら準優勝しました。 1人目、中井秀幸選手。巨漢の中井選手相手に真っ向勝負のド突き合い。お互い一歩も引かずに引き分け。2人目、前田亮選手。1人目で体がほぐれたのか、少し落ち着いて突きと下段を決めます。 3人目、川阪師範代。上段蹴りを警戒しながら 突きと下段で攻めますが、ボディを攻められ少しペースダウンします。4人目、中村修志師範代。開始早々 中段廻し蹴り、突き膝蹴りと積極的に攻めますが、右の突き連打と内股蹴りで動きを止められます。 5人目、巨漢のアメリカ人。左の下段を連打して一本勝ち。6人目、活きの良い青帯の攻撃を落ち着いて受けて豪快に足払いで倒します。決めが甘く技ありにはなりませんでしたが、その後 下突きの連打で技あり。 7人目、茶帯の高校生。アグレッシブに攻撃する相手の技を受けて突きで追い込み、最後はまたしても豪快な足払いで倒し下段突きで決めて技あり。 8人目、巨漢の茶帯に後半 右の下段を連打で決めて優勢勝ち。9人目、中村昌永師範代。ボディを徹底的に攻めら耐えるのがやっとの状態です。 10人目、亀井元気選手。亀井選手の怒涛の攻撃に人間サンドバッグになります。気力を振り絞り時折突きを返し、最後まで耐え抜き完逐。

有馬美優士 十人組手

 ラストは有馬美優士。2年半前、高校卒業と同時に道場内弟子となり、播州カップ優勝、大阪カップ優勝、全関西優勝、神戸カップ優勝、昨年の全日本ウエイト制大会では中量級でベスト8と関西の若手を代表する実力と実績を身に付けました。 20人組手は完逐しましたが詳細にレポートする事は省略しますが、20人組手の内容は全体的に良い内容だったと思います。一本勝ちや技ありが無かったのは課題の残るところですが、茶帯と黒帯のみのメンバー相手に20人目の中村昌永師範代と19人目の亀井元気選手以外には一方的にやられる事無く、一定のペースで最後まで技の切れや威力を落とす事無く完逐した事に成長を感じました。 内弟子になってから、初段への昇段審査、尼崎金曜日強化稽古、神戸選手会、ユース強化稽古、全国強化指定選手稽古、東京総本部合宿、全日本無差別出場、全日本ウエイト制出場、世界王者タリエルの百人組手の相手、播州カップ・大阪カップ・神戸カップ・全関西優勝、 今回の二段への昇段20人組手と体験出来る範囲の事は全て体験しました。全日本大会の結果となると昨年の中量級ベスト8が最高成績ですが、私の同じ年齢の頃と比べれば遥かに高いレベルにいます。 有馬君には普段の指導内外で稽古の取り組み方、考え方など厳しく言う事はありますが、基本的に選手(人)が育つのにはそれなりの時間がかかると思っています。 短期間に結果を出すタイプの人もいますが、有馬君は時間をかけて、経験や自信を積み重ねて強くなって行くタイプだと思います。 今回の20人組手を完逐して、二段に昇段した事を自信にして、更なる飛躍を期待しています。

 手前味噌になりますが、今回の4人の10人組手と20人組手の内容は非常に良かったと思います。 小川さくら、中野創策、藤原章寛は黒帯以外の相手には確実に技あり、一本を取り実力の程を見せてくれました。 今回、初段・二段と昇段した4人全員が幼稚園の頃から空手を続けています。中学生になるとクラブや勉強や生活環境の変化でコンスタントに稽古に来る事が出来なくなった事もありました。 受験で休会した事もありました。子供時代から続けていた同年代の仲間が色々な理由で退会して寂しい思いをした時もあったでしょう。 そんな様々な出来事を乗り越え努力を積み重ねてて黒帯になった事は彼らの人生の宝物となり、必ず自信になると思います。

小川さくら 十人組手 藤原章寛 十人組手

 しかし、毎回 昇段の度に言う事ですが、忘れてはいけないのは、黒帯になれた事は自分1人の力では絶対に無いという事です。 まずは、何よりも御両親に感謝すること。 経済的な援助は勿論の事、様々な理由で空手を辞めたいと思った事もあったでしょう。 しかし、常に励まし、影で支えてくれる御両親の存在があったからこそです。そして、道場の仲間の存在に感謝すること。 塚口道場には同年代の仲間が沢山います。苦楽を分かち合い、切磋琢磨する仲間の存在があったからこそ、ここまで空手を続けてこれたモチベーションに繋がっている事は間違いありません。 そして、年代は違えど組手ではガチンコで殴り合い、組手のアドバイスや型の指導をしてくださった黒帯の先生方。そんな方々の存在があってこその黒帯だと肝に銘じなければなりません。 応援、支援してくださった方々の期待を裏切らず、恩返し出来る様に努力を続け、先生方や先輩から熱心に指導していただいた事を後輩に伝える事。 それが出来て初めて黒帯と認められます。誰からも尊敬される黒帯を目指し、今後も努力精進してください。

中野創策 十人組手 有馬美優士 十人組手

 最後に、長年に渡り厳しい指導や稽古を理解し、サポートをしてくださいましたお父さん、お母さんありがとうございました。 御両親のサポートが無ければ絶対に続ける事は出来ませんでした。4人の指導をしてくださいました塚口道場の先生方ありがとうございました。 私1人で4人をここまで導いて来る事は出来ませんでした。塚口道場の道場生の皆さんありがとうございました。共に稽古する仲間の存在があるからこそ4人は頑張る事が出来ました。 審査をしていただきました、師範代の方々、組手の相手をしてくださいました師範代、先生方、道場生の皆さんありがとうございました。 皆さんの励ましと応援で完遂する事が出来ました。 この場をお借りしまして御礼申し上げます。ありがとうございました。